「来週からイタリアに行くんだ。先生、めまいを何とかしてくれ」

当院がある千葉市稲毛区から距離がある東京都内在住のこともあって、しばらく施術をしていなかった六十代前半の男性のお客さまが連絡してきました。

無茶な話だとも思ったのですが旧知のお客さまでもあり、予約の上、来ていただきました。

お話を聞くと、病院で精密検査を受けたが、異常がないと言われた。ほかの整体に行ったが良くならないということでした。

めまいには「ぐるぐる回る」と表現される「回転性のめまい」と、「目の前が暗くなる、ふらふらする、揺れる」などと表現される「めまい感」の大きく分けて二種類のめまいがあります。

病院では聴力検査や内耳検査、眼科診察、脳CT、脳MRI検査を行なって、耳の奥の平衡器官、眼、脳の中枢神経系などに異常があるかどうかを調べますが、緊急性が高いのは回転性のめまいです。

ただ、回転性のめまいではなくても、手足のしびれや二重にモノが見えたり、モノが飲み込めないなどの症状がある場合も要注意です。このお客さまは、病院で異常がないとされているのでこうした脳の病気ではないと判断されます。

体の平衡感覚は、眼や内耳だけでなく、関節、筋肉、内臓など体の内部からの情報が脳で統合されることによって、バランス良く保たれています。ですから、私たちはめまいも体のバランスが崩れた結果であると判断します。

めまいには肩こりや頭痛、眼精疲労、高血圧、更年期障害、自律神経失調なども伴うので、その点も注意深くお聴きします。その上で、施術は足首、骨盤、背骨のバランスをとって、最後に首と頭のずれやゆがみを正します。

週3回連続の施術を受けて彼はイタリアに旅立ちました。

この方はこれまで膝痛、腰痛、ゴルフ肘、手首痛などで来院されているのですが、ある程度良くなると「もう大丈夫」と判断されて、来なくなってしまいます。この際、しっかり通院して再発しないように根本から改善していただきたいのですが、無理強いもできません。

しばらくしてこの方からこんなメッセージがLINEで届きました。「アマルフィ海岸からナポリへの帰路ソリエントに立ち寄り、『帰れソリエント』をイタリア語で歌ったのは言うまでもありません！」それから世界三大夜景の一つ、ナポリの夜景の写真（上に掲載）も届きました。

なにはともあれ、元気そうでなによりです。