「ハイヒールの着用を強制されるのは御免だ」と働く女性らが今月3日に1万8000人の署名を集めて厚生労働省に提出しました。多くのメディアで取り上げられ、国会でも論戦が繰り広げられました。

署名活動に参加した女性の多くが職場でハイヒール着用が義務づけられているそうです。今後、厚生労働省が何らかの行動を起こすのか、企業側が自主的に変化して行くのか注目されます。

しかし、まず第一に調査すべきは女性の健康への影響でしょう。ハイヒールによる健康被害については米国の整形外科学会も2013年10月に「Suffering for Fashion:Rethink Shoes and Bag Choices」という論文を掲載しています。

当院でもハイヒールを日常的に履いているお客さまの症状として目立つのは腰痛と外反母趾です。

ハイヒールを履くと姿勢のバランスをとるため骨盤が反ってしまい、腰痛が引き起こされるリスクが高まってしまうのです。

また体重を狭くなっている足先で支えることになるため、親指が小指側に曲がって、親指の付け根が赤くなるとか痛いという症状が常態化している女性も少なくありません。

それを我慢し続けていると親指の付け根の骨自体が変形してしまい外反母趾になってしまうのです。

外反母趾は足首のバランスを崩すため、ひざ痛や股関節痛の原因にもなります。60代の女性は外反母趾と股関節痛で通院しています。当院では、こうしたお客さまの足首と姿勢を調整した上で、足指の間を広げて伸ばす「指のば体操」「足首回し」をお教えしています。

「美脚に見える」と思って履く女性が多いハイヒール。でも長時間履き続けてかえって姿勢が悪くなったり、O脚がひどくなったりしては本末転倒です。

「ウオノメや靴擦れ」といった足への負担が表れる初期段階で手当とケアを怠らないことが肝心です。