2020/09/01
もし味覚や嗅覚にシンデレラタイムがあったら？

女性が家に帰らなければならない時間、いわゆる門限のことをシンデレラタイムというそうです。

あの童話のシンデレラが午前零時に魔法が解けてしまうので、その前にお城を飛び出したストーリーから始まった言葉なのだそうです。

だいぶ時代は変化しているため、もう時代遅れというそしりを甘んじて受ける覚悟で私は書いています。

というのは、もしも味覚や嗅覚にシンデレラタイムがあったら大変ですよね。「はい、もう時間です。これからは味覚も嗅覚もシャットダウンです」と言われたら、食事を楽しめなくなってしまいます。

でも、現実に「午後6時になると味覚と嗅覚がなくなってしまうのです」という若い女性が来院されました。

朝食とランチは、味もにおいも感じて、美味しくいただけるそうです。ところが、なぜか夕食だけが無味無臭。魔女の呪いかと思ってしまいますよね。

食事の際に、私たちは、舌の味蕾(みらい)というセンサーで甘いや辛いという味を感じます。その味は味覚神経を通じて脳に伝えられます。そして嗅覚でとらえた香り、触覚で認識する歯や舌で感じた硬さややわらかさ、視覚で把握した料理の姿と形、聴覚で分かるシャキシャキとか噛んだ時の音、これらを脳で統合して、料理の美味しさを感じるのです。

ですから、味覚と嗅覚がなくなってしまってはどんな料理にも満足できなくなってしまうでしょう。

この味覚障害の病院での一般的な治療法は、亜鉛の摂取によって味蕾の中の味細胞の再生を促すことや、心因性の場合は抗うつ剤の投与になります。

一方で、私たち整体師の役割は身体のゆがみやずれを調整した上で、自律神経の乱れを正すことです。特に首のずれを矯正することに注力します。

この女性は毎日何時に味覚や嗅覚が無くなったかをノートに記録しています。最初は施術した夜だけ、味と香りを感じられたそうですが、３度目の施術後からは、味覚と嗅覚のシンデレラタイムは終わったそうです。

やはり、魔法にかかったようなお話は「めでたし、めでたし」で終わらないといけませんね。よかったです。