先日、坐骨神経痛でご来院のお客さまの話です。

施術後の第一声は「まだ右のお尻が痛い」

その方の症状に対応した施術は終わっていましたが、まだお尻の痛みが取れていないというわけです。そこで、「では首肩のセルフケアをご一緒にやりましょう」とお答えしました。

この方はお裁縫が趣味で、ミシンを使うことが多いそうです。そのため、腰痛のほかに、左側の首や肩のこり・痛みも訴えていらっしゃいます。姿勢はやや猫背気味です。

この日も肩甲骨から頭にかけてくっついている肩甲挙筋と首の横にある胸鎖乳突筋がパンパンに張っていました。そこで、施術後にもう一度、セルフケアで背中の菱形筋と、肩の上腕三頭筋を鍛えるセルフケアをやっていただきました。

結果は「あれ、お尻の痛みは消えちゃった。不思議」とおっしゃっていました。しかし、これはよくあることなのです。施術だけでは取りきれなかった腰など下半身の症状が、上半身のセルフケアでとれてしまう例が。

施術で上半身をすでにやっていたとしても、最後にやる上半身のセルフケアは改善のためのダメ押しになるのです。腰痛だからといって骨盤や腰まわりの筋肉だけに注目していてもダメだし、肩こりだからといって肩甲骨や肩まわりの筋肉だけを治療してもダメなのです。

この日もまた、身体を全体的にとらえてバランスを取る重要性を再認識する良い機会になりました。