「膝が痛い、両方の内側」とおっしゃるお客さまが来院されました。とにかく階段を降りるのがつらいとお話になります。

小学校から高校まで剣道、大学ではラグビー、社会人になられてからはゴルフや草野球とスポーツを楽しんでこられた方です。しかし、ラグビーで体を酷使した上、2000年に左足のアキレス腱を断裂して以降、足や膝に痛みを感じるようになったそうです。

「正座は30年まえからできない。キャッチャー、ファースト、ライトとポジションを替えながらも草野球を楽しんできたが、座った姿勢から立ち上がるのがつらくなったので野球はやめることにした」と寂しそうです。

整形外科では膝関節変形症と診断され、２、３週間に一回の割合で膝にたまった水を抜いているそうです。ここ一カ月は一回あたり２CC 程度ですが、1回で５CC抜くこともあってつらそうです。

検査の結果、両足ともに股関節の内旋制限があり、特に左足の筋力が弱っているようです。施術では内転筋を鍛えるのが一番と考えました。そして下肢と足指、腹横筋も対象に施術しました。

施術後は膝の痛みはだいぶ軽減され、膝を曲げてかがむことができるようになりました。

このお客さまの生活習慣や歩き方のくせ、膝の使い方のくせなどがあって改善にはもう数カ月かかりそうな状態ですが、必ず改善するとの確信は得ることができました。この日、お伝えしたセルフケアは小指、腓骨筋、内転筋。体操を覚えた後は、足取りも軽くお帰りになりました。